便利屋サービス21コラム

2024.4.27

高齢者宅がゴミ屋敷化しやすい理由は?家が荒れる前後の対策を解説

「高齢者は自宅をゴミ屋敷化させやすい?」
「もし近隣の高齢者がゴミ屋敷で困っていたらどうすればいい?」

超高齢社会になりつつある日本では、高齢者宅がゴミ屋敷化する問題が広がりつつあります。
高齢者が家をゴミ屋敷にしてしまうことは事例は年々増加しており、地域をあげて対処していかないと周囲で生活する人々も多くの影響を受けてしまいます。
この記事では、高齢者とゴミ屋敷の関係性について解説し、地域住民一人ひとりがどのように行動すべきか具体的に説明していきます。

ゴミ屋敷の住人に高齢者が多いのは本当?

高齢者が自宅をゴミ屋敷化させやすいことは、さまざまな調査から判明しています。
2013年の調査によると、東京都立中部総合精神保健福祉センターが65歳以上の自宅を訪問した47例のうち、27例がゴミ屋敷状態になっていたとのことです(※1)。
また、関西クリーンサービスを運営する「A-LIFE株式会社」が役所勤務者向けに実施した調査でも、以下のような結果が出ています。

ゴミ屋敷問題を抱えている方が多い年齢層

1位:70代以上(45.7%)
2位:60代(22.8%)
3位:50代(16.6%)

ゴミ屋敷問題を抱えている方の特徴

1位:一人暮らしをされてる方(57.1%)
2位:ものを捨てるのが苦手な方(28.0%)
3位:定職に就かれていない方(23.0%)

引用:ゴミ屋敷居住者の8割は50歳以上!「超」高齢化が招く深刻な地域問題の現状とは? | 【公式】関西クリーンサービス

どちらの調査からも、「高齢者」かつ「単身者」の方は自宅をゴミ屋敷にしてしまう可能性が高いことがわかります。

参考(※1):自治体による「ごみ屋敷」対策-福祉と法務からのアプローチ-|公益財団法人日本都市センター

自宅をゴミ屋敷化させやすい高齢者の特徴

一人暮らしをしている高齢者、いわゆる独居老人は、特に自宅をゴミ屋敷化させやすいことが判明しています。
とはいえ、必ずしも独居老人が自宅をゴミ屋敷化させるわけではないため、やみくもに高齢者を支援すれば良いわけでもありません。
ゴミ屋敷問題を解決に導くには、高齢者が抱えやすい「ゴミを片付けられなくなる本当の理由」について知る必要があります。
ここでは、自宅をゴミ屋敷化させやすい高齢者の特徴を解説するので、一人ひとりに沿う解決方法を考えるためにもぜひご覧ください。

特徴1:認知症で片付け方がわからなくなっている

自宅をゴミ屋敷化させてしまう高齢者は、認知症によって片付け方がわからなくなっている可能性があります。
たとえば、認知症の症状の一つである「見当識障害」が起こると場所や時間、人に関する感覚が薄れ、自分がいる場所や、今日が何曜日なのか判断できなくなります。
場所や時間がわからなくなるとゴミを捨てる日や場所もわからなくなり、本来捨てるはずだったゴミをそのまま自宅内に放置してしまうようになるのです。

また、物事を順序通り進めることが難しくなる「実行機能障害」では複数の家事を並行して行えなくなり、ゴミ出しのことを頻繁に忘れてしまうようになります。
これらの症状は認知症の「中核症状」と呼ばれ、理解力や判断力が低下することでゴミの扱いも含めて生活面に大きな支障をきたします。
認知症は患者さん自身も症状に気づく病気なので、本人は「片付けたくても片付けられない」というジレンマを抱えている可能性もあるでしょう。

特徴2:精神疾患で片付ける気力や体力を失っている

自宅をゴミ屋敷化させる高齢者は、精神疾患で片付ける気力や体力を失っているかもしれません。
たとえば、「老年期うつ」は65歳以上の方が発症し、自宅がゴミ屋敷化するのに十分といえるほどの症状が現れます
気分の落ち込みや不眠、だるさといった症状に加えて、体のしびれや腰痛、ふらつきといった老化に伴う症状も出るのが特徴です(※2)。

心身共に症状が現れることでゴミ捨てや片付け、買い出しや料理といった生活に必要な家事全般も難しくなり、少しずつ自宅が散らかっていきます。
また、統合失調症や妄想性障害では「家のなかに侵入された」「物を盗まれた」といった被害妄想が強くなります。
家族や他人などのサポートを拒絶し始めると継続支援が難しくなり、周囲がゴミ屋敷化に気づいていても解決が困難となるのです。

参考(※2):老年期のメンタルヘルス(老年期うつ病について)| 豊中市 千里中央駅直結の心療内科 精神科 – 杉浦こころのクリニック

特徴3:ためこみ症を発症している

家にある物を捨てられなくなる「ためこみ症(Hoarding Disorder)」を発症したことで、自宅がゴミ屋敷化するケースも考えられます。
ネーミングだけ聞くと「重い病気じゃなさそう」と思う方もいるかもしれませんが、実はアメリカ精神医学会が発行する精神疾患マニュアル「DSM-5」にも記載されている正式な病気の一つです。
ペットボトルや新聞紙、洋服や雑誌などさまざま物をためこむことに加え、物を捨てる行為に大きな苦痛を感じたり、「所有物を保管していたい」と強く思ったりするのが症状の特徴となっています。

自然に治りにくく、むしろ加齢と共に悪化していく傾向にありますが、患者本人が病気を患っていると自覚しづらいことから治療を進めにくいのも問題点です(※3)。
症状が重くなると自宅外にも物が溢れ出す可能性があるため、近隣住民への影響を抑えるためにも周囲のサポートのうえで医療機関に相談することが治療への第一歩となります。

参考(※3):ためこみ症 – 08. 精神障害 – MSDマニュアル プロフェッショナル版

特徴4:セルフネグレクトで気力を失っている

高齢者が自宅をゴミ屋敷化させる原因の一つとして「セルフネグレクト」が挙げられます。
自分自身の世話を放棄してしまうのがセルフネグレクトという状態で、生活に必要な能力を失うことで自宅の片付けやゴミ捨てが難しくなり、少しずつ自宅内が荒れていきます。
認知症や精神疾患、お金や家族間のトラブルなど、高齢者が抱えやすい問題が原因になりやすく、食事や通院、入浴なども放棄し始めると健康状態の悪化にも繋がりかねません。

本人は自身の状態を自覚していない場合も多いため、ためこみ症と同様に周囲が早めに症状に気づき支援しないと、自宅のゴミ屋敷化を含めて問題は膨れ上がっていきます。
ただし、セルフネグレクトの方は周囲からのサポートを拒むこともあるため、支援の手は慎重に差し伸べる必要があります。
やみくもに片付けるのではなく、社会福祉士などが在籍する地域包括支援センターなどに介入してもらいながら少しずつ解決を目指すことが重要です。

特徴5:家族・友人との関係性が薄まり片付けへの意識が低い

家族や友人との関係性が弱まることで自宅がゴミ屋敷化するケースもあります。
年を重ねれば、子供の独り立ちや配偶者の死、友人との疎遠など、親しかった人たちとの繋がりが薄くなっていく人は少なくありません。

このように社会的な孤立が深まっていくと人目を気にすることが減り、普段の家事や部屋の片付け・掃除を行うやる気を失ってしまうことがあります。
特に心身共に衰弱している高齢者だと、一度散らかってしまった家を自身で元の綺麗な状態に戻すことは困難です。

身近に単身で暮らす高齢者がいる場合は、本人が孤立せず、周囲から適切な支援を受けやすい環境を作ってあげることが大切と言えるでしょう。

特徴6:他者に迷惑をかけることを恐れている

「他者に迷惑をかけることが怖い・申し訳ない」という心理がゴミ屋敷化に拍車をかけることも少なくありません。
体力の衰えや健康面の問題が原因で自宅が散らかるのは仕方のないことであり、それらを解決するための支援を受けるのも決して悪いことではありませんよね。

しかし、他者との関わり合いに不安を覚えている高齢者は、家の中が乱れている状況を他人に知られたくないと感じ、自身の子供や行政からの支援を拒むことがあるのです。
一人では解決できないレベルのゴミ屋敷にも関わらず支援を拒否するため、ゴミや不用品がさらに増えて問題も悪化していきます。

「他者に迷惑をかけたくない」という考えは長年の人生で形成された価値観なので、「迷惑ではない」ということを伝えるだけでは心の壁を取り払えないのがこのケースの課題です。

高齢者宅のゴミ屋敷化が起こす5つの問題とは?

自宅のゴミ屋敷化はさまざまな問題に繋がります。
特に、加齢によって体力が低下している高齢者がゴミ屋敷のような劣悪な環境で生活すると、健康面で大きな影響を受けかねません
ここでは高齢者宅のゴミ屋敷化によって起こる問題を5つ解説するので、ぜひ参考としてご覧ください。

①健康被害に繋がる可能性がある

高齢者宅がゴミ屋敷化した際、最も懸念すべきは健康被害のリスクです。
特に注意が必要なのは「転倒」と「感染症」で、適切に対処しないとこれらが原因で生命が脅かされる可能性も考えられます。
たとえば、太ももの付け根にある「大腿骨近位部」は転倒時に骨折しやすく、治療による寝たきりの期間が長引くと認知症やさらなる筋力低下、肺炎などの発症リスクが高まることがわかっています(※4)。

また、ゴミが溢れる環境ではハウスダストやカビ、ダニなどが大量に発生しやすく、それらを吸い込むことで感染症やアレルギー疾患を引き起こす可能性もあるでしょう。
高齢者は免疫力が低下しており、特に感染症にかかりやすい年代です。
たった一度病気になるだけでも、後遺症によって大きくQOLが下がりかねないため、家族や知人の家がゴミ屋敷化し始めた段階で迅速に対応するのが重要となります。

参考(※4):高齢者に多い4つの骨折と予防・ケアについて | せいてつLab | 社会医療法人 製鉄記念八幡病院

②害虫・害獣・悪臭が発生する

ゴミ屋敷では人の生活に悪影響を与える「害獣・害虫」、近隣住民の生活にも影響を与える「悪臭」などが発生します。
積み重なった大量のゴミはネズミやゴキブリにとって最高の住処や餌となるため、放置し続けると本格的に住み着くようになります。

害獣・害虫は食中毒の原因となる「サルモネラ菌」や、風邪症状から腎障害、黄疸まで幅広い症状を引き起こす「レプトスピラ菌」などを持っているのが特徴です。
このような動物との接触が増えるような空間での生活は、高齢者にとっては命の危機になり得る病気の発症リスクも高めるでしょう。

また、悪臭は精神的ストレスの原因になるだけではなく、部屋に染み付いたり、外に漏れ出したりすることで近隣住民の生活の質も下げてしまいます。
周囲からクレームが殺到すれば退去を促されたり、退去時の原状回復費用が高くなったりと、経済的な負担も大きくなります。

③近隣住民の生活の質を下げる

高齢者宅がゴミ屋敷化すると、近隣住民にも迷惑をかけることがあります。
先述した悪臭問題に加え、地域の景観を損なったり、ゴミが道路にはみ出すことで交通を妨げたりする恐れもあるでしょう。
このように周囲にも悪影響が及ぶようになると、高齢者本人やその家族にクレームが寄せられることも少なくありません。

しかし、やむを得ず自宅をゴミ屋敷化させてしまった高齢者が一人で解決を試みるのは不可能です。
いつまでも改善が見られないと地域社会からの孤立が深まり、さらにゴミが増えることで本人の健康状態まで悪化する事態になります。

④火災が発生しやすくなる

自宅がゴミ屋敷になると、火災が起きるリスクが格段に上がります。
タバコの火種サイズでも周りにゴミが溢れている環境ならそれらに引火する可能性が高く、さらにゴミの山にも燃え広がれば消火できないまま火災に発展することも考えられるでしょう。
周囲の自宅にも火が移れば、近隣住民を火災の被害者にしてしまう可能性もあります。

⑤孤独死に繋がる可能性がある

高齢の親や親族がゴミ屋敷に住んでいる場合、自宅で誰にも知られないまま亡くなっていく「孤独死」に関する知識もつけておくと良いでしょう。

自宅がゴミ屋敷化する原因と人が孤独死する原因は非常に近いため、一緒に備えておくと高齢者がより安全に暮らすための支援ができるようになります。
たとえば、セルフネグレクトによって自宅がゴミ屋敷化している場合、同時に健康管理の放棄によって持病が悪化している可能性が考えられます。

このような状況では、単にゴミ屋敷の状態を改善するだけではなく、適切な医療支援を受けられるようサポートし、孤独死の可能性を少しでも減らすことが重要です。

要注意!こんな高齢者はゴミ屋敷に住んでいるかも

家に入らないとゴミ屋敷かどうか判断できないと思っていませんか?
実は高齢者の些細な行動や言動を注意深く見ていると、自宅がゴミ屋敷になっていることを見抜ける可能性があります。

特に高齢者はその特徴が現れやすいため、近所に単身世帯の高齢者が住んでいる場合は参考としてご覧いただき、高齢者のサポートにお役立てください。

話しかけても反応が薄い

普段から話好きな高齢者が急に挨拶や会話をしなくなるのは、うつ病や認知症のサインかもしれません。
これらはゴミ屋敷の代表的な原因でもあり、他者でもわかるくらいの変化が本人に起きている場合は自宅内にも大きな変化が生じている可能性があります。

特に認知症によって「アパシー」という状態になると自分や周りの物事に興味・関心を示さなくなり、家事ができなくなることで自宅がゴミ屋敷化することも少なくありません。
今までと様子が違うと感じた場合は、ゴミ屋敷問題も含めて生活に問題が起きていないか気にかけてあげると、いざという時に行動を起こしやすくなります。

以前と比べて姿を見かけなくなった

「近所の年配の方、最近ゴミ出ししてないかも?」「前と比べて会う機会が減った」

このように感じた時は、大家さんや自治会を通じて一度本人の状況をチェックしてみると良いかもしれません。
高齢者が急に姿を見せなくなった場合、認知症や怪我、体調不良など、さまざまな理由で外に出られなくなっている可能性があります。

外出が難しい状態だと片付けやゴミ出しも満足に行えず、家の中も少しずつ散らかっていくでしょう。
近所の高齢者が姿を現さなくなった時には、気づいた方が率先して行動できると高齢者の孤立やゴミ屋敷問題の拡大を防げます。

高齢者宅のゴミ屋敷化を防ぐ方法

高齢者宅のゴミ屋敷化を防ぐには、親族や地域同士で協力し、時間をかけて問題を解決していく必要があります。
ここでは、その具体的な協力方法や、便利な施策を紹介します。
一つでも覚えておくと、高齢者の様子に異変を感じた際に素早く動き出せるようになりますよ。

定期的な声かけで相談しやすい環境を作る

高齢者宅のゴミ屋敷化を防ぐ初歩的な方法として、「定期的な声かけ」が挙げられます。
特に単身で暮らす高齢者には効果的で、挨拶や他愛もない会話ができる関係性を築くだけでも一人で過ごす方にとって心強い存在となります。

頼れる相手がいれば、万が一「ゴミを捨てられない」「前のように家事ができない」という状況に陥ってもSOSを発しやすく、ご近所さんを通して地域社会から支援を受けられるようになるのです。
高齢者を孤立させず、悩み事を言い出しやすい環境を整えてあげることが、ゴミ屋敷問題を事前に防ぐための基本となります。

高齢者ゴミ出し支援制度を活用する

地域によっては、一つの制度として高齢者のゴミ出しを地域住民が支援している場合があります。
令和2年に環境省が全国の地方公共団体向けに実施したアンケートによると、全国の34.8%の地方公共団体が高齢者のゴミ出し支援をしていることがわかりました(※5)。

また、NPO法人や自治会といったコミュニティ単位でも支援を実施していることから、より多くの高齢者にとって手が届きやすい制度であると言えます。
直接手を貸すのが難しいという方は、このような制度の存在を周知するという形で高齢者に寄り添ってみるのも良いかもしれません。

参考(※5):高齢者のごみ出し支援制度導入の手引き

必要に応じて病院を受診してもらう

「会話や挨拶がなくなった」「攻撃的になった」など、これまでと違う様子を見せる場合は、必要に応じて医療機関の支援を受けられるよう周囲が後押しする必要があります。

認知症や精神疾患を発症している場合、迅速に対応しないと自宅のゴミ屋敷化はもちろんのこと、徘徊によって行方不明になったり、火の不始末で火災が起きたりと、多くのトラブルが発生しかねません。
大きな問題に発展する前に、適切な支援や治療を受けられるよう導くことが地域社会に求められるでしょう。

とはいえ、近隣住民という間柄だとプライベートに入り込むことは難しく、「病院に行こう」と伝えることも難しいはず。
そんな時は地域包括支援センターや民生委員への相談がおすすめです。
どちらも高齢者の医療や介護に関する援助を行っており、専門知識を持った地方公務員や社会福祉士、保健師などが高齢者本人の状態を鑑みて必要な対応を実施してくれます。

訪問介護サービスを利用する

「要介護1〜5」の要介護認定を受けた高齢者は訪問介護サービスを利用でき、その一環として身の回りの片付けとゴミ出しを依頼できます

ただし、介護ヘルパーは利用者の生活に必要な「生活援助」の範囲内でしか作業できません。
ゴミ屋敷の掃除や庭の草取りといった作業は生活援助の範囲外となります。
あくまでもゴミ屋敷化予防のための作業に留まるため、本格的に片付けを依頼したい時は片付け業者などを呼ぶのが最適と言えるでしょう。

高齢者宅がゴミ屋敷化した時の対処方法

高齢者宅がゴミ屋敷状態になってしまった場合、事態の悪化を防ぐためにも、すぐに策を講じることが重要です。
しかし、自宅が大量のゴミで溢れている場合、通常の片付け作業だけでは問題を解決できないことも少なくありません。
さらに、高齢者のゴミ屋敷問題の背後には、高齢者特有の病気が潜んでいる可能性もあるため、専門知識を持つ人々と連携することも必要になります。
ここでは高齢者のゴミ屋敷問題に対処する方法を解説していくので、ぜひ参考としてご覧ください。

本人から家がゴミ屋敷化した原因を聞く

解決の糸口を掴むためにも、本人との会話を通してゴミが溜まってしまった原因を探ることから始めましょう。
ゴミを溜めたことを頭ごなしに叱るのは、本人の尊厳を傷つけてしまうため禁物です。
原因究明の後に効果的な解決方法を考えることで本人が抱える苦しみを解消し、ゴミ屋敷の再発も防ぎます。

本人に主導権を握らせつつ一緒に片付ける

片付けを手伝う場合、作業の主導権はあくまでも本人に握らせておくようにしましょう。
家族や支援する側としては一刻も早く問題を解決したいと思いがちですが、本人の気持ちを尊重しないまま作業すると信頼関係が破綻します。
信頼を得られなければ継続して支援することも難しくなり、ゴミ屋敷問題の解決はさらに遠ざかるでしょう。
本人が安心して意見できる環境や関係性を作り、同意のもとで作業することが「生活の支援」としての正しい形です。

参考:いわゆる「ごみ屋敷」の実態と その背景に潜むもの

大家・不動産会社・行政に相談する

地域に悪影響を及ぼすゴミ屋敷がある場合は、大家や不動産会社、行政などに相談して問題解決を図るのも一つの手です。
第三者の介入があれば医療や福祉、権利関係などの知識を持った人々から協力を得やすくなるうえに、住民間のトラブルも回避しやすくなります。

ただし、大家や行政が介入しても、問題解決までのスピードが早くなるわけではありません。
問題を一気に解決できそうな退去命令や、行政が強制的に片付ける行政代執行などは、数年単位で改善が見られない場合の最終手段です。

京都府の例では市民から相談があった6年後に行政代執行を実施しており、その間には市職員が100回以上の訪問によって注意喚起を繰り返しています。
ゴミ屋敷問題は行政が介入しても解決に時間を要するため、できる限りゴミ屋敷を発生させないための取り組みを実施するのが最適と言えるでしょう。

ゴミ屋敷の危険性を理解してもらう

高齢者がゴミ屋敷の解決に前向きじゃない時は、ゴミ屋敷の危険性を理解してもらうことが大切です。
足場の踏み場もないような場所で暮らすリスクを説明すれば現状を正しく把握でき、本人も問題解決に動いてくれるかもしれません。

何より、ゴミ屋敷の危険性を理解できると以前より片付けに積極的となり、ゴミ屋敷の再発も防げる可能性が高まります
認知症患者の方はなかなか理解が追いつかないかもしれませんが、相手に寄り添って支援するという意味でも、「あなたの身を案じている」ということを伝えるのは重要です。

片付け業者に依頼する

「自分たちだけではゴミの山を片付けられない」「一旦家を綺麗にしてから本人と向き合いたい」

このようにお考えの時は、専門業者への依頼がおすすめです。
片付け業者なら、どれだけゴミが溜まっていようとスピーディーにお家を綺麗にできます
高齢者が住んでいる地域に対応した業者をいくつか探し、信頼できるところに依頼すると良いでしょう。

ゴミ屋敷の清掃を片付け業者に任せる5つのメリット

ゴミ屋敷をスピーディーかつ、安全に綺麗にするにはプロの片付け業者に依頼するのが良いでしょう。
どんなゴミ屋敷でも百戦錬磨の経験と専門知識を活用して片付けてくれるため、家族で対処しきれないケースなどで大きな味方となってくれます
ここでは片付け業者を利用するメリットを5つ解説するので、片付けを委託したい方はぜひご覧ください。

①最短1日でゴミ屋敷が片付く

プロの片付け業者を利用すると、大量にゴミがある家でも最短たったの1日で片付けることができます。
時間が限られている方や、すぐにでも清潔な環境を整えたい方には特におすすめです。
スピードが早いから作業が雑ということもありません。
どんな物でも丁寧に扱いながら作業を進めてくれるため、安心して依頼可能です。

②ゴミの分別を任せられる

片付け業者に依頼すれば、さまざまなゴミが入り混じっていてもきっちり分別したうえで片付けることが可能です。
また、分別の過程で状態が良い不用品が見つかれば、それを業者に買い取ってもらい片付け費用を安く抑えることもできます。
環境にも配慮しながら片付けを進めたい方にも業者依頼がおすすめです。

③重たいゴミや家具・家電の搬出を任せられる

ゴミ屋敷を片付ける場合、重量のあるゴミはもちろんのこと、テレビや冷蔵庫といった大きな家具・家電の搬出が必要になる場合もあります。
業者に依頼すれば、それらの持ち運びや再設置もすべて任せられます。
搬出中の事故や怪我も防ぐのに最適です。

④部屋のクリーニングや害虫駆除を任せられる

片付け業者は幅広いサービスに対応しているのも特徴です。
ハウスクリーニングや害虫駆除に対応している業者を選べば、ゴミ屋敷で発生しやすい黒カビや害虫の問題もスッキリ解消できます。
片付け以外のサービスに目を向けて業者選びをすると、複数の問題を一つの業者に依頼するだけで解決できますよ。

⑤周囲に知られず家を綺麗にできる

業者に片付けを依頼したいけど、作業風景を見られることでゴミ屋敷が周囲に知られないか不安に思う方もいるでしょう。
片付け業者なら極力目立たない方法で片付け作業を行えるため、事情を知られることなく自宅を綺麗にできます。
相談・見積もりの際に配慮してほしい点を伝えておけば、プライバシーを守りながら問題を解決可能です。

トラブルを防ぐ!ゴミ屋敷片付け業者の選び方

悪質な業者に依頼すると、後から法外な料金を請求されたり、適当な作業で済まされたりと、多くのトラブルに巻き込まれる可能性があります。
このようなトラブルを防ぎ、ゴミ屋敷を住みやすい環境に戻すためには業者選びを妥協せずに行うことが重要です。
数ある業者のなかから特にレベルの高い業者を探すためのポイントを紹介するので、ぜひご覧ください。

外部口コミサイトで高い評価を得ている

誰でも書き込める外部の口コミサイトを見れば、業者の実態を知ることができます。
特に参考にしてほしいのが「Googleクチコミ」です。
一度投稿された口コミは業者側でも削除・修正ができないので、良い意見と悪い意見の両方をチェックできます。
正しい料金体系やサービス内容を調べる時はホームページが有効ですが、具体的な評判を知りたい時はすでにサービスを利用した方の声が聞ける口コミサイトを参考にしてみてください。

便利屋サービス21のGoogleクチコミ

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引用:Googleクチコミ

“電話での受付や実際の申し込み時、とても丁寧に対応いただきました。頭金ナシ・分割払い・すぐ助けてほしいという希望についても親身にご対応いただきました。”
引用:Googleクチコミ

ホームページに会社所在地が掲載されている

ホームページに会社所在地が掲載されている業者を選ぶことも重要です。
連絡先がわからない業者に依頼すると、お金を支払った後やトラブルがあった後に連絡が取れなくなることがあります。
また、所在地は書いてあっても、それが嘘の情報という可能性も考えられるでしょう。
Googleのストリートビューなどを活用し、その場所に会社が存在するか調べてから依頼するとさらに安全に依頼できます。

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前もって費用がわかる「明朗会計」の業者に依頼すれば、作業後の支払いトラブルを避けやすくなります。
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片付け業者は安価では利用しづらいサービスですが、支払い方法を豊富に揃えている業者を選べば金銭的負担を抑えながら利用することが可能です。

たとえば、便利屋サービス21でも提供している分割払いは一回あたりの支払い額を抑えるのに役立ちます
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【関連リンク】
▶ゴミ屋敷の業者を選ぶ5つのコツ|費用の相場や安く抑える方法を解説

まとめ:高齢者宅のゴミ屋敷問題を解決するにはサポートが不可欠!

高齢者は加齢や病気によって自宅をゴミ屋敷化させる可能性が高いことがわかっています。
本人はもちろんのこと、親族も高齢である可能性が高いことから、一度ゴミ屋敷化すると簡単に解決することはできません。

そこで大きな存在となるのが周囲に暮らす地域住民の存在です。
高齢者を見守ってくれる人が多ければ多いほど、病気や精神疾患など、高齢者特有の理由による自宅のゴミ屋敷化は防ぎやすくなります。
もし近くに高齢者がいる場合はこの記事でも紹介した「挨拶」や「簡単な声がけ」から開始し、定期的に様子を伺うことで本人や地域住民が暮らしやすい環境作りに繋げられるでしょう。

また、高齢の家族がゴミ屋敷に住んでいる場合も、無理して家族内で解決しようと奮起する必要はありません。
民生委員や地域包括支援センター、必要であれば片付け業者の力を借り、できるだけ少ない負担で解決する方法を探してみてください。

関東エリアのゴミ屋敷清掃なら「便利屋サービス21」にお任せ

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便利屋サービス21では、東京・千葉・神奈川など、関東1都7県のゴミ屋敷清掃や不用品買い取り、遺品整理などに幅広く対応しています。
1年間で5,000件のお問い合わせをいただいており、お客様満足度も99.2%と依頼された多くの方々から好評です。

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便利屋サービス21のゴミ屋敷片付け実績を紹介!

便利屋サービス21 埼玉県富士見市 片付け事例

「高齢の母親が自宅をゴミ屋敷にしてしまった」
「害虫が発生するくらい家が汚いので片付けを依頼したい」

埼玉県富士見市のお客様からのご依頼

  • 作業内容:ゴミ屋敷の清掃
  • 作業時間:6人のスタッフで2日間
  • 支払い方法:頭金なしの分割払い

埼玉県富士見市のお客様からのご依頼です。

お母様が一人で暮らす実家に帰省したところ、以前の状態からは考えられないほど部屋中が散らかっていたとのこと。
元々は丁寧に片付けていたお母様でしたが、旦那様が亡くなったことをきっかけに少しずつ身の回りの世話が困難となっていったそうです。
いわゆるセルフネグレクトによってゴミ屋敷化した実家の光景に驚かれ、依頼者である息子様から「便利屋サービス21」にご依頼いただきました。

なるべく早い解決を望まれていたため、見積もりの翌日にスタッフ6名を派遣して作業を実施しました。
2日の時間を要したものの、なんとかご実家を元の綺麗な姿にお戻しして今回の依頼は終了です。

高齢者宅がゴミ屋敷化した場合、本人やそのご家族だけで解決を目指すのはほぼ不可能です。
行政や医療機関、そして便利屋サービス21のような片付け業者の力を借りながら、ゴミと同様に山積みとなった問題を一つずつ確実に潰していきましょう。

埼玉県にお住まいでゴミ屋敷にお悩みの方はこちらからご相談ください

ゴミ屋敷の片付けを依頼したい方には便利屋サービス21がおすすめ!