アパートを退去するとき、あまりに部屋が汚いとハウスクリーニング代として敷金から引かれることがあります。普段から掃除が行き届いていない場合でも、チェックされるポイントを押さえておけば敷金が全額戻ってくる可能性が高くなります。
今回は退去の際に掃除をしておくべき個所と掃除方法をご説明します。
アパートを退去するときに部屋が汚いとお金がかかるの?
借りていたアパートを退去するときには、原状回復と言って部屋をきれいにする義務があります。汚い部屋はそのまま次の人に貸すことができないため、きれいにする必要があるからです。
退去時の原状回復って?
原状回復とは、自分が入居したようなきれいな状態に戻すことを言います。ただし、どんな部屋でも人が住んでいれば汚れたり、経年劣化したりすることは避けられません。以前は誰がどこまできれいにするかでトラブルになる場合が少なくありませんでした。そこで、国土交通省が原状回復に関するガイドラインを作成し、その範囲を明確にしたのです。
この中で原状回復とは、入居時と全く同じ状態に戻すことではないとされています。建物が古くなったことで引き戸の開け閉めが大変になった、ということまで入居者が責任を持つ必要はありません。
入居者が責任を持って原状回復しなければならないのは、自身の過失や故意によるもの(管理を怠ったりわざと汚したりした場合)に限られます。
入居者の責任で汚れた部屋の原状回復費用はどうやって払うの?
ガイドラインには、部屋の各場所について管理会社や大家(貸主)と入居者(借主)が、「それぞれどのような場合に責任を持たなければならないか」について分かりやすく記載されています。URLを掲載しておきますので詳しくはそちらをご一読ください。
入居者の責任とされる汚れは、一般的に貸主が敷金を使って原状回復を行います。ハウスクリーニング特約がある場合はそのお金が使われますが、部屋が汚くて費用が足りない場合はさらに敷金から引かれ、それでも足りなければ別途請求が来ることになります。
国土交通省『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html
アパートの退去前に汚いところは掃除をしておこう
アパートを退去するときには、特にチェックされるポイントを押さえて掃除をしておくことが大切です。
掃除の前に知っておきたい洗剤の特徴
洗剤には「酸性」「中性」「アルカリ性」の3つの種類があります。汚れの種類によって使い分けがありますが、商品に「混ぜるな危険」と表示されているものは特に注意が必要です。
特性 | 代表的な商品 | |
中性洗剤 | 食器用洗剤やハンドソープなど、最も多くの場所で使用されている。 | 食器用洗剤 ハンドソープ |
酸性洗剤 | 水垢や黄ばみを取るのに適している。 | クエン酸・サンポール・トイレのルック 除菌消臭EXなど |
アルカリ性洗剤 | 油汚れや皮脂汚れに適している。また、カビ取りなどの塩素系洗剤(漂白剤)もアルカリ性洗剤である。 | 重曹・セスキ炭酸ソーダ・ マジックリン・カビキラー・ハイターなど |
居室の汚れ
居室の掃除のポイントはカビ・シミ・べたつきです。アパートで使われている壁紙や床材は、畳やカーペット以外であれば水拭きをしても大丈夫なものが多いので、しっかりと拭き掃除をするといいでしょう。
①掃除機やフローリングワイパー、モップなどでざっと埃を落とす。
②硬く絞った雑巾などで床や壁をこする。壁紙などは強くこすりすぎないように注意。
③カビやシミができている部分はカビ用洗剤やアルコール除菌スプレーなどを使用し、歯ブラシなどでこする。
④最後にもう一度、硬く絞った雑巾などで汚れをきれいに拭き取ってから十分に乾燥させる。
漂白剤は色落ちの可能性があるので目立たないところで試してから使用しましょう。また、水拭きの際は雑巾をしっかり絞るようにしてください。濡れているとかえってカビが生える原因となります。
キッチンの汚れ
キッチンは最も汚れやすい場所です。シンクやコンロまわりだけでなく、壁面や床の油汚れやキッチン下収納もチェックしましょう。
キッチンの汚れには重曹やセスキ炭酸ソーダを使うとよいとされています。しかし、これらはアルカリ性とはいえあまり強くないので、ひどく汚いときは効果が薄い場合が少なくありません。また、酸性のクエン酸は長時間放置するとかえって水に溶けにくい物質に変わることが分かっています。手早く掃除をしたい場合は、市販の洗剤を利用する方がいいかもしれません。
①シンクやキッチン台のステンレス部分はクレンザーを使い、柔らかいスポンジでこする。
②コンロまわりやグリル、換気扇には油汚れ用洗剤を使用する。汚れがひどい場合は浸け置きするのも効果的。
③床や壁などは適度にぬらした雑巾に中性洗剤を含ませてこする。最後に硬く絞った雑巾で水拭きし、しっかり乾燥させる。
④収納扉や中は、居室の汚れと同様の方法で行う。
キッチンは凹凸がある場所が多いので、歯ブラシなどを使うと細かいところまで汚れを落とすことができます。
トイレ・浴室の汚れ
トイレや浴室の汚れの代表は黄ばみ(水垢)や黒ずみ(水垢+カビ)、黒カビです。水垢には酸性の洗剤、カビにはアルカリ性(塩素系)の洗剤が有効です。
①黄ばみは、便器内部や浴室の汚れ部分にまんべんなく酸性洗剤をかけ、2~3分後にこすって落とす。最後に水を流してきれいにしておく。
②黒ずみや黒カビは、キッチンペーパーなどを汚れのひどいところにかぶせて塩素系漂白剤を染み込ませ、その後密着させる。しっかりペーパーが貼り付くように手で押さえるとよい。
③洗剤に記載されている置き時間を目安にペーパーをはがし、ブラシなどでこすって汚れを落とす。浴室の扉の隅などは、歯ブラシを利用すると細かいところまできれいにすることができる。
④最後にしっかりと水で汚れと洗剤を洗い流す。
⑤床や壁は居室の汚れと同様の方法で行う。
塩素系の洗剤を利用するときは、換気扇を回し、ゴム手袋などを使いましょう。また、浴室の天井などは、洗剤が滴ってくることがあるので、レインコートなどを利用するのもおすすめです。なお、黄ばみ落としに使用する酸性洗剤と漂白系洗剤は混ぜると有害物質が発生するので、十分に洗剤を流すか日にちを変えるなどの対策を取るようにしてください。
大変な時はハウスクリーニングを依頼することも考えよう
こびりついた汚れを落とすのはなかなか大変なものです。自分できれいにするのが難しい、掃除をしている時間がないという場合は業者にハウスクリーニングをしてもらいましょう。
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