「遺品整理士ってどんな仕事?」
「遺品整理士になるためにはどうしたら良いの?」
最近、遺品整理士の活躍の場が増えてきたこともあり、遺品整理士という仕事に興味のある方が増えてきています。
本記事では遺品整理士について、資格取得から個人での開業方法まで詳しく解説しています。
本記事を読めば遺品整理士についての理解が深まり、遺品整理士を志す人がこれから何をすれば良いかがわかるようになります。
目次
遺品整理士とは
遺品整理士とは、一般財団法人遺品整理士認定協会から認定された資格を保有する、亡くなった方の遺品を整理・処分・供養する専門家のことです。
近年、核家族化や高齢化によって「遺品整理のやり方がわからない」「遺品整理をする人がいない」といった遺品整理についてのお悩みが増えています。
そのため、遺品整理についての悩みを解決できる遺品整理士の需要が高まっています。
業務内容
遺品整理士の主な仕事は、故人の衣類や書類、思い出の品などの遺品を丁寧に整理し、必要に応じて供養・処分することです。
初めて遺品整理をする遺族の方の多くは、供養や不用品の正しい処分方法がわからずに悩んでしまいます。
遺品整理士は遺族の気持ちに寄り添いながら、法に則って供養や処分が行えるようお手伝いをします。
遺品整理士が正しく遺品整理を行うことで、遺品整理業界全体の健全化や悪質な業者の排除にも貢献しています。
主な就職先
遺品整理士として就職する場合、主な就職先は遺品整理業者です。
他にも、清掃業者や便利屋などが遺品整理のサービスを提供していることもあり、そこに就職する人もいます。
近年では終活が広まった影響で生前整理も注目されるようになったため、高齢者施設や葬儀会社などの就活の一環として遺品整理士が活躍する場面も増えてきました。
また、遺品整理士には個人事業主として働く選択肢もあり、自分の希望の勤務場所や勤務スタイルに合わせた就職先や働くスタイルを選べます。
平均給料
遺品整理士の求人を見ると、初任給は月給25〜40万円程度が平均です。
簡単に年収に換算すると、300〜500万円程度になります。
一方、遺品整理士を認定している一般財団法人遺品整理士認定協会の動画によると、遺品整理時の平均年収は600〜900万円程度と紹介されています。
経験を積んで昇給したり、個人で開業したりすることで収入を増やすことも可能です。
特に、個人で開業する場合は遺品整理だけでなく不用品の買取や特殊清掃、空き家の売買サポートなどニーズの高いサービスと組み合わせることで収益を上げることもできます。
参考動画:
マンガでわかる【遺品整理士】という仕事
遺品整理士と清掃業者の違いについて
遺品整理士と清掃業者の業務内容は「必要な物と不要な物を仕分けて、不要な物を処分する」という点では同じです。
しかし、二つの業務の目的は大きく異なります。
清掃業者の目的は「部屋を片付けてキレイにすること」です。
一方、遺品整理士は「故人と遺族の想いに寄り添いながら遺品を整理すること」が目的になります。
部屋にある物をただの物ではなく思い出の品として丁寧に扱い、供養の手配などご遺族の心のケアも行っていきます。
つまり、清掃業者と遺品整理士とでは、遺族に寄り添う姿勢を求められるかどうかが大きな違いといえます。
実際に便利屋サービス21で承った遺品整理のご依頼をご紹介します。
「4年前に母が亡くなったが、実家の片付けが全くできていない」
「実家の売却が決まったので引き渡しまでに遺品整理をしたい」
▼群馬県高崎市にお住まいのお客様からのご依頼
作業内容:遺品整理・不用品回収
「忙しくて母が亡くなった後の実家の片付けができない」とお悩みのお客様からのご依頼です。
実家の売却が決まったため、売却前になるべく早く遺品整理を終えたいということでした。
思い出話を交えながら穏やかな雰囲気の中で遺品整理は進み、お客様からは「おかげで気持ちよくスムーズに遺品整理を終えられました。本当にありがとうございました。」と喜んでいただくことができました。
遺品整理士の資格について
遺品整理の仕事は遺品整理の資格を持っていなくても行うことができます。
しかし、正しい知識で仕事をしたりご遺族から信頼を得たりするためには、遺品整理士の資格を持っていた方が良いでしょう。
取得の流れなど遺品整理士の資格について詳しく解説します。
参考ページ:
遺品整理士
遺品整理士の資格概要(申し込み条件・難易度など)
遺品整理士になるための養成講座は誰でも申し込むことができます。
講座を受けた後に提出した課題レポートによって合否が決まりますが、合格率は65〜70%前後です。
資格としては決して高くない難易度ですが、一方で3人に1人は不合格になっていると考えると、しっかり勉強する必要があることがわかります。
また、資格取得後も社会のニーズに合わせた業務が行えるように継続的な学習は必須とされています。
遺品整理士の資格が生まれた背景
遺品整理士の資格が生まれた背景には、悪質な遺品整理業者によるトラブルが後を絶たず社会問題化してしまったことがあります。
たとえば、悪質な遺品整理業者によるトラブルには以下のような事例があります。
- 作業時に追加料金を請求され、最終的に見積金額の二倍の費用を請求された
- 処分しないでほしいと依頼してあった物を勝手に処分された
- 解約しようとしたら高額なキャンセル料を請求された
上記のように悪質な遺品整理業者のトラブルがある中で、遺品整理業界の秩序を保つことを目的に遺品整理士の資格が生まれました。
参考ページ:
こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル-料金や作業内容に関するトラブルが発生しています-(発表情報)
資格取得の流れ
遺品整理士の資格は以下の流れで取得します。
養成講座への申し込み | 最初に遺品整理士養成講座に申し込みます |
受講開始 | 教材(教本・資料集・問題集・DVD)が届いたら講座の受講を開始します 受講期間の目安は約2か月です |
レポート提出 | 問題集に沿って課題レポートを作成し提出します 合否結果が届くまで約2ヵ月かかります |
合格通知・認定手続き | 合格後、認定手続きを行います |
認定証の発行 | 手続き完了後、認定証が発行されます |
遺品整理士の養成講座は通信制となっており、スクーリング(通学)は一切必要ありません。
また、受講期間は2ヶ月目安となっていますが、無料で受講期間延長の相談も可能ですので、無理なく自分のペースで受講できます。
資格取得にかかる費用
遺品整理士の資格取得にかかる費用は以下の通りです。
入会金 | 30,000円 |
会費(認定手続き含む) | 8,000円(1年間有効) |
また、資格取得後も一年ごとに更新をする必要があり、更新時に費用がかかります。
遺品整理士の資格を取得する3つのメリット
遺品整理を仕事にするうえで必須ではない遺品整理士ですが、資格を取得することで様々なメリットがあります。
遺品整理士の資格を取得するメリットの中から特に大きなものを3つ解説します。
正しい知識・技術を身につけられる
遺品整理士の資格を取得するための講座を受講することで、遺品整理についての正しい知識・技術を身につけられます。
たとえば、リサイクルや廃棄物の正しい処分方法や遺品との向き合い方、遺族へのケアなどを実践できるレベルで学べます。
また、一般の人があまりよく知らない供養やお祓いについても学ぶことが可能です。
これら遺品整理についての正しい知識・技術は実際に遺品整理を仕事にしている人ではないとなかなか身につけられるものではありません。
しかし、遺品整理士の資格取得に向けて勉強する中で、未経験の人でも身につけることが可能になります。
協会のサポートが受けられる
遺品整理の資格を取得すると一般財団法人遺品整理士認定協会のサポートが受けられるようになります。
最初に遺品整理の認定証発行の際に遺品整理士としての今後の活動に役立つ資料がもらえます。
その後も継続的に開催されるセミナーなどに参加が可能なので、遺品整理についての最新情報や技術などを学び続けられます。
また、個人で開業するための営業セミナーなど開業支援も行っています。
同業者との人脈ができる
遺品整理士の資格を持っていると、同じ資格を持つ人同士のつながりを作る機会ができます。
たとえば、協会が主催する講習会やセミナー、交流会などに参加することで、全国の同業者と知り合うことが可能です。
同業者との人脈は情報交換や業務提携、新しいビジネスチャンスにもなります。
また、開業している人にとっては孤独になりがちな個人事業でも、同じ目標を持つ仲間がいることでモチベーションの向上や安心感にもつながります。
自分が遺品整理士に向いているかチェック
「遺品整理士の仕事に興味があるけれど、自分に向いているか心配」
このように悩んでいる方もいるはずです。
そんな方のために、自分が遺品整理士に向いている人の特徴を5つご紹介しますので、ぜひ自分が当てはまるかチェックしてみてください。
①几帳面な性格である
遺品整理士に向いている人の特徴1つ目は、几帳面な性格であることです。
遺品整理の仕事は一つ一つの作業を丁寧に行うことがとても大切です。
たとえば、遺品に傷がつかないよう丁寧に遺品を扱ったり貴重品や重要書類を見落とさないように気を付けたりなど、細かい注意が必要な場面がたくさんあります。
几帳面な性格の人は上記のような細かい注意が必要な作業をしっかりこなせるため、遺品整理士に向いています。
②片付けが好き・得意である
遺品整理士に向いている人の特徴2つ目は、片付けが好き・得意なことです。
遺品整理士の仕事は単純な清掃やゴミ出しとは違いますが、「保管する物」「供養する物」「処分する物」を仕分けたり、遺族の方にわかりやすいよう収納したりと片付けの要素を多く含みます。
そのため、片付けが好き・得意な人はそれを活かすことができます。
③身体を動かすのが好き・得意である
遺品整理士に向いている人の特徴3つ目は、体を動かすのが好き・得意なことです。
遺品整理の作業では大きな家具を運んだり長時間立ったまま作業したりすることがよくあります。
このように遺品整理には体力が必要な場面も多いため、身体を動かすことが好きな人や得意な人に向いているのです。
また、引っ越し作業や倉庫整理などの仕事の経験がある人はその経験も活かせます。
④ご遺族の気持ちに寄り添うことができる
遺品整理士に向いている人の特徴4つ目は、ご遺族の気持ちに寄り添うことができることです。
遺品整理をしているとご遺族が遺品の取り扱いについて深く悩みこんだり、故人への想いから涙を流したりすることもあります。
そうした時、遺品整理士はご遺族を急かすことなく、ご遺族の気持ちを受け止めながら作業を進めていくことが求められます。
遺品整理士には「ご遺族が今どんな気持ちか」「どのうにこの遺品を扱ってほしいか」などご遺族の気持ちを考える姿勢が大切です。
⑤人に感謝される仕事をしたいと思っている
遺品整理士に向いている人の特徴5つ目は、人に感謝される仕事をしたいと思っていることです。
遺品整理士の仕事はご遺族の気持ちに寄り添ったり、力仕事もあったりと決して楽な仕事ではありません。
しかし、その分ご遺族から「ありがとう」「助かりました」などの感謝の言葉をいただけることも多い仕事です。
そのため「人に感謝されるとやりがいを感じられる」「人の役に立ちたい」と思える方が遺品整理士に向いているといえます。
個人で遺品整理士として開業する手順
遺品整理士には個人で開業する選択肢があると聞いても、どうやって個人で開業すれば良いかわからないという方もいるはずです。
そんな方のために、個人で遺品整理士として開業する手順を解説します。
手順1:事業計画を立てる
まずは事業計画を立てましょう。
事業計画は法律などで定められているわけではないため、作らなくても開業できます。
しかし、事業計画を立てることでサービス内容や必要な資金などがより具体的に考えられるようになるため、最初に事業計画を立てておくと良いでしょう。
事業計画にはきまったフォーマットはありませんが、インターネットで「事業計画書 テンプレート」と検索するといくつか出てくるのでそれらを利用したり、自治体や商工会が行っているセミナーなどに参加して作成するのがオススメです。
事業計画書には主に以下のような項目を記載します。
- 事業の目的
- 具体的なサービス内容
- 必要な資金と調達方法
- 売上計画
- 市場や競合調査
手順2:必要な免許・資格・技術を取得する
次に、必要な免許・資格・技術を習得します。
遺品整理士として個人開業する場合、遺品整理士以外に以下のような免許・資格・技術を取得しておくとお客様のニーズに応えられる幅が広がるのでオススメです。
免許・許可・技術 | 内容 | 使用する場面 |
普通自動車第一種運転免許 | 普通自動車や軽自動車を運転するのに必要な免許 |
|
古物商許可 | 不用品の買取や売買ができるようになる許可 | 不用品の買取 |
ハウスクリーニングの技術 (ハウスクリーニング技能士・エアコンクリーニング士など) |
家の様々な箇所をキレイにできる技術(資格がなくても業務可能) | ハウスクリーニング |
特殊清掃の技術 (事件現場特殊清掃士など) |
市販されていない薬剤や機器などを使って除菌・殺菌・脱臭まで行う清掃(資格がなくても業務可能) |
|
また、一般家庭から出た不用品を回収するには「一般廃棄物収集運搬業許可」という許可が必要です。
しかし、この許可は条件が厳しく、新しく取得するのは非常に難しい許可になります。
そのため、不用品回収のサービスを提供したい場合は一般廃棄物収集運搬業許可をもつ業者と提携すると良いでしょう。
参考ページ:
免許を取りたい
運転免許にはどんな種類と区分があるのですか? | 武蔵境自動車教習所
古物商許可申請 警視庁
公益社団法人全国ハウスクリーニング協会
エアコンクリーニング士になるには|一般社団法人日本エアコンクリーニング協会
事件現場特殊清掃センター
手順3:料金・プランを設定する
実際に依頼を受ける前に料金・プランを設定します。
儲けたいからと料金を高く設定しすぎるとお客様が来なくなり、お客様の依頼しやすい価格にと料金を安くしすぎると赤字になってしまって事業が継続できなくなってしまいます。
まずは必要経費などを計算し、事業が継続できる程度の利益が出る料金を算出します。
その後、同じようなサービスを提供している同業他社の費用相場などを調べて、それより高くなりすぎないような料金を競技を設定しましょう。
料金設定が細かすぎるとお客様にわかりにくくなってしまうため「お風呂・トイレ・洗面台ね水回りハウスクリーニングセット」のようにある程度サービス内容をまとめた料金プランを設定しておくのもオススメです。
手順4:開業届を提出する
開業した後は一ヶ月以内に税務署に開業届を提出します。
開業届は必須ではありませんが、開業届を提出すると次のようなメリットがあります。
- 個人事業主として開業している証明になる
- 屋号(事業所名)の口座が作れるようになる
- 青色確定申告をすると控除が受けられるので納税額が下がる
開業届は以下の方法で提出できます。
- 税務署に持参する
- 税務署に郵送する
- オンラインのe-Taxで提出する
- 会計ソフトで提出する
参考ページ:
A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁
手順5:集客・宣伝をする
開業したらお客様に依頼してもらえるように集客・宣伝をしましょう。
集客・宣伝には主に次のような方法があります。
- チラシのポスティング
- 公式ホームページの開設
- SNS運用
また、遺品整理の事業の場合は高齢者施設や葬儀会社など遺品整理の需要が高い場所企業と提携したり、そこにチラシを置かせてもらったりする方法もあります。
遺品整理を必要としている人がどこにいるのか、何を見ているのか考えながら集客・宣伝をすると良いでしょう。
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「やっぱり個人で開業するのは不安…」
そう思っている方には、便利屋サービス21のサポートがオススメです!
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サポート①事業の立ち上げについてアドバイスが受けられる
便利屋サービス21なら、営業の方法や許可・認可の獲得方法、トラックや人材の確保の方法など事業の立ち上げについてのアドバイスが可能です。
また、技術面に関しても実際の現場に指導員が訪問したり講習を行ったりなどのサポートも行っています。
便利屋サービス21は遺品整理のご依頼にも多くの実績があります。
そのため、次のようなお悩みもサポートして一緒に解決していけます。
- 遺品整理士の資格をとったけれどもっと実際の現場について知りたい
- 経験豊富な遺品整理の専門家からアドバイスがほしい
- 実際に仕事をしてみたけれど悩んでいることがある
サポート②集客のノウハウがわかる
集客は闇雲にチラシをまいたりホームページを作ったりすれば良いのではなく、実は成果につなげるためのノウハウが必要です。
便利屋サービス21ではホームページの作り方や検索でホームページが上位表示されるための方法など、成果につながる集客のノウハウを提供しています。
他にも、インターネット上の集客だけでなく、営業の現場研修や営業相談会なども実施しています。
また、数を集めるだけではなく、一人ひとりのお客様のご依頼の単価がアップするようなノウハウについてもご提供可能です。
サポート③他社とのネットワークや案件の紹介が受けられる
便利屋サービス21の開業サポートでは、他社とのネットワークや案件の紹介制度も整っています。
個人で開業する場合、実績ゼロのままだと集客しづらい傾向があります。
案件の紹介などで実績を積むことで、紹介以外の依頼増加にもつながります。
また、他者とのネットワークがあると遺品整理についての情報共有ができて自分のスキル向上につながります。
自分の地域外や対応外の依頼の相談があった時、断るのではなく他の業者を紹介できることでお客様の満足度向上にもつながり、口コミの評価なども上がりやすくなります。
まとめ:遺品整理士とは何かを理解して資格取得を目指そう
遺品整理士とは、亡くなった方の遺品を整理・処分・供養する専門家のことです。
清掃やゴミの処分などを目的とした清掃事業と異なり、ご遺族の気持ちに寄り添いケアをしながら遺品を整理することを目的とした仕事です。
遺品整理士とは何かを理解し、資格を取得を目指しましょう。
また、「就職」「開業」など遺品整理士の資格取得後にどのように仕事をしていくかも考える必要があります。
一見ハードルが高く感じる個人での開業ですが、サポートを受けることでスムーズに開始することも可能です。
便利屋サービス21では遺品整理の故人の開業をサポートしています。
興味のある方はぜひお気軽にご相談ください。
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